子供が大人に気を遣う必要なんてない
タイトルが気になり書店でたまたま手に取ったこの本,パラパラとページをめくると,不思議な感じがした。
見覚えのある町並みの写真・・・。
聞いたことがあるような境遇の子供たち・・・。
まさかと思って読み進めると,そこには僕が支援しているNPOの名があった。
紙面上では子供の名は伏せられているが,誰のことかはすぐに分かった。
もう1つ驚いたのは,そこには僕の知り得なかった悲惨な実態も記されていたことだ。
ボランティアでは,子供と一緒に夕食をとり,食後は家まで送り届けることになっている。先日,ある女の子が僕の見送りを拒んだことがあった。その時は理由が分からなかったが,今思うと,きっと家を見られたくなかったのだと思う。
本を読んで初めて知ったのだが,彼女の家は大変な困窮状態にあるらしい。
その状況を僕に知られたくなかったのだろう。
なんともいじらしい。
そんな小さな子供が大人に気を遣う必要がどこにあろうか。
いつもは明るく振る舞っている彼女だが,僕とはまだラポール(信頼関係)が築けていないのだと改めて分かった。
この本は僕にたくさんの宿題を与えてくれた。
そして使命感も与えてくれた。
感謝である。